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k-coの独り言

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2008年 08月 08日

功徳


10年近く前、当時付き合ってた男友達が結婚し、
もうすぐ子供が生まれる・・・と、みんなが心待ちにしていた。

予定日の2、3日前にも
「今日、病院に行ってきたんやけど、まだ出てくる気配がないみたい。」
嫁さんがそう言って電話をくれた。
「そうか・・・まぁ あんまり無理せんとおとなしくしときよ~」

予定日が過ぎても、一週間経っても連絡はない。
「あとで電話してみようか・・・」
その時、握ってた携帯が突然鳴った。
「あ~ビックリした! 電話しようかどうか迷ってたんや」
受話器の向こうから聞こえてくる声は
嗚咽にも似たすすり泣きやった。
「どうした?泣いてるんか?」
感動のあまり泣いてる。。。そう思ったけど、
様子がおかしい。
「なに?何があったんや!泣いてたらわからんやろ!ちゃんと説明しなさい!」
そこで、プッツリと電話は切れてしまった。
何事かがあったんや!
私は、すぐにリダイヤルしたけど通じない。
なんで?何で通じひんのよ!!
何度も、何度もかけつづけた。
諦めかけたころ、その彼から電話が入った。
「どうしたん?なにがあったの?」


あれほど待ち続けて、10月10日大事に育ててきたというのに
神様はなんという仕打ちを与えるのか・・・
あなたのわがままや、いたずら心でそうしたのなら
間違いじゃないの?
きっと、見当違いをしているに決まっている。
お願いです、返してください。
彼らの大切な命を・・・・・


予定日前には心音もしっかりして、元気に動いていたというのに
様子が変わり、病院にたどり着いたときにはもう・・・
彼は泣きながら私に電話をかけてきて、ぶつけようのない心を
どうしていいのかわからず、泣き続けるだけだった。
こんな時に、どんな慰めの言葉があるというの?
こんな時に、私は彼らに何をしてあげられるというのか?
誰を、なにを責めればいいのか・・・・

色の白い綺麗な女の子だった。

その後の彼は荒れた。
当然といえば、当然のこと。
しかし、当の本人は?奥さんの立場や気持ちは?どうしてあげればいいの?
それを誰ができるのか?彼しか居ないじゃないか。
毎日のように酒を飲み、やけっぱちになるのもいいだろう。
でも、彼女はどうすればいいの?

ある日私は、彼と酒を飲んだ。
彼は、酔っ払ってくると私に訴えかけてくる。
「何でこんなことになったんや!俺、何悪いことしたんや?俺は、あの病院を
訴えてやるつもりでおるねん!」
「あんた、そんなことして誰が喜ぶの?そんなことより嫁さんをもっと守ってやらんと
あかんよ。一番淋しい思いしてるはずやねんから。あんただけと違うよ!」
「俺が悪いことしたんやったら、俺が罰を受けるよ!」
「いいかげんにしなさい!あんた、今まで好きなことばっかりして、悪いことも
してきたやんか!その報いやと思って、出直すことや!!」

彼は淋しそうに肩を落として、涙をこぼしながら帰っていった。
このまま、彼らとの縁が切れても仕方がない。
あんなひどいことを、私は言ってしまったから・・・・
「ごめん、ホンマはもっと優しい言葉でも掛けてやりたかったんやけど
弱いとこ見たくないから・・・・」私は心の中で、そう言い訳するしかなかった。

数日後、彼から電話があった。
取ろうかどうかまよったけど、何事もなかったように取ることにした。
驚いたことに、彼はなにか吹っ切れたようなしっかりした声で
「この間は、怒ってくれてありがとう!心配も掛けてごめん。」
「いや、こっちこそ言い過ぎてゴメン、反省してるわ。」
「それより、俺ら今の家から引っ越すことにしてん。嫌なこと全部忘れて
やり直すつもりで、そうしようて二人で話して決めた。」
「そうか、それはよかった!よかったね!頑張りよ~今度こそええことがあるはずやからな!」
「また連絡するからな!ありがとう!」


彼らは彼らなりに、いっぱい悩み、苦しみ、そしてお互いを理解しあい、
慰めあったみたい。
”災い転じて福と成す”やな。
それから、まめに近況報告をしてくれ一生懸命さが伝わるほど
彼らは頑張っていた。


そして2年が過ぎようとしたときの事。
また、その彼からの電話。
「報告があるねん。」
「どうした?なんかあった?知らん間に出世したとか?」と、笑いながら言った私に
「男の子が生まれました。一番に知らせたくて!」
「え?いつ?そんな・・・そんな事一言も言わなかったやん!」
「ごめん、実は前のことがあったから、生まれるまで怖くて誰にも言えなかってん!!」
「良かったねぇ!!ホンマに良かったね!!心入れ替えたから違う?」
て、冗談言うて・・・
「ありがとう!お姉ちゃんにはホンマに親身になってくれたから、感謝の言葉もないわ。」
「母子ともに元気やね?」
「はい、今度また顔見にきてな~!待ってるから。」
「電話してくれてありがとう!これからも頑張りよ~お父ちゃん!」


その子はもう小学2年生くらいになってる。
彼らによく似た、やんちゃな男の子。
彼は一生懸命、仕事も子育てもしっかりやってる。
昔の知り合った頃を思い出しても、笑いが出る。
若い、若いなりたてのサラリーマンやったけど、なんかうまがあって
それからの腐れ縁になってる、弟みたいな奴。
そろそろ出世して、おごってくれてもええころや。


生きてる限り、良いことも悪い事も全部返ってくる。
だから、毎日を一生懸命真面目に生きているだけでも
ちゃんと報われる事があるってこと。

例えば、落ちてるゴミをひとつ拾うだけでも
功徳は自然と積んでるってことやで~ ^^

その前に、捨てんにかぎる。。。。;

by lucky-powder | 2008-08-08 17:39 | ノスタルジー | Comments(0)


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