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k-coの独り言

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2008年 06月 28日

尊厳


もう6月も終わりやね。。

月日が経つのはホンマに早い。
そう言えば、従姉妹の子供が天に昇ってから2年になるか・・・・
従姉妹の子供と言うのは前に”シバの女王”で書いた従兄弟の甥にあたるんやけど、
彼もまた因果なことにこの世を去っている。

子供の頃から相撲をやっていて、高校ではかなり頑張ってて
某相撲部屋からお声が掛かってたくらい実力があった。
彼はその道を選ばず、教育者として指導していきたいと言う思いがあって
大学に進学し、一生懸命精進していた。
ところが、大学へ行きだして間もない頃、体調をくずしていたにも関わらず
ハードな毎日を送っていたせいで、無理がたたり倒れてしまった。
若さと言うのは罪や。
ちょっとくらいのしんどいことでも、何でもないように思ってたんかな?
「あ~しんど・・・」程度に誰もが思ってた。
あんまり長引くから、病院へ通いだした。
検査したり、色々やったけど軽い疲れと、環境が変わったことがたたって
ストレスが出てきたのか?と、治療してたけど
結局、その甲斐も虚しくあの世へと旅立ってしまった。
前触れはあったんやろうけど、それが原因かどうか誰にも判断が出来ひん。
だから突然としか言いようがない。
18歳やった。
従姉妹や伯母は悔やんでも悔やみきれず、わが身を恨んでいた。
何で、気が付いてやれなかったのか?
何でもっと早く・・・何で?何で?・・・・・
伯母はその前の年に息子を亡くしているからよけいに落ち込んでしまって、
一気に老け込んでしまった。

ええ人は早くこの世を去るというけど、それにしても早すぎるやろ?
二人とも、今まで一生懸命に頑張って生きてきたというのに、
何が悪かったと言うんや?
この世で一番大切に思って、大事にしてきたものを、何の断りもなく
奪っていくって、どういうことなんやろう?
運命?そんな言葉で簡単に片付けられるのはむごすぎるわ。
私は未だに現実を受け入れることが出来んといる。
けど、残された伯母や従姉妹達は現実を通り過ぎて夢でも見てるみたいや。

伯母と従姉妹は、私に会うたびに周りを気にせず泣く。
あの時のことを悔やんで泣く。
自分を責めて、責めて、戒めて。
子供を奪われたという意味では、同じ立場の二人は
お互いを支え、慰めあって生活している。
「あんたもこっちに来て、一緒に暮らそう」と、冗談交じりに
やや本気で私によく言う。
例えば、今私が電話をかけただけでも言葉にならず、泣き出す。
私はどう慰めてやっていいもんか?と、辛くて言葉を失う。

介護の仕事をしている時も、重篤な方達のお世話をしていたことから
多くの”死”を目の当たりにしてきた。
例えそれが他人であったとしても、命の火が消えていくのを
どうして受け入れることができる?
私にはそれが出来んかった。
あまりにも辛すぎて、悲しくて、淋しくて・・・
仕事から帰って泣いてばかりおった。
それやのに身内が奪われたら、泣くどころの話やない。

人の命がなくなるということは、その人の存在そのものがなくなるんや。
思い出の中に生きてる・・・て、言うけど
思い出ほど儚くて、淋しいと思うもんはない。

むかし、ある人に「親孝行て、親より例え一年でも長く生きることや、
先立っていた人の分だけ、それ以上に自分を大事にして生きていくことや。それが
残された者の努めやし、与えられた義務や。」
そう言われたことがあったけど、今はホンマにその言葉が身にしみるほど
実感してる。

何かをしてあげんといかんのじゃなくて、その人の愚痴や不満や
淋しさ、悲しさ、それから努力を認めて受け入れてあげるだけでも
心の支えになってるんと違うかな?
形になることなんか何一つ出来ひんけど、せめて側に誰かが居てあげるだけでも
慰めになるんやったら、そうしてやりたいと私は思う。


来週その従姉妹の子の3回忌がある。
あの二人、また泣くんやろうな・・・
泣いた顔を見るのはホンマに辛い。
みんな仲が良かったから・・・


二人は相変わらず泣くから
ホンマはその分、私が泣けんでつらいんよな。。。


残された者達が悲しいと思えば思うほど、
先立っていった人達は、
命という”尊厳”が、どれほど大切でありがたいものか
ちゃんと教えてくれてるんやろうな・・・て
最近そう思うんよね。

by lucky-powder | 2008-06-28 12:12 | ノスタルジー | Comments(0)


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